昨日とったナラタケについて胞子の大きさを計測した。
胞子 (7.4–)7.8–8.8(–9.2) × (4–)4.4–5.2(–5.4) μm, (n = 20, mean length = 8.26 ± 0.53, mean width = 4.82 ± 0.36, Q = (1.5–)1.6–1.8(–2))
綿毛状のつばがあるのでワタゲナラタケだろうか?と思って調べたところ、胞子がやや小さいようだ。薄壁という点も疑問がある。
また、柄表皮はKOHで褐変した。これが重要な形質なのかは分からないが・・。
結局よくわからない。
本題。昨日のニセショウロ属について詳しく書く。
径は1 cm程度、表皮は0.5 mm程度、赤変性を欠き、KOH 3%でやや赤変し、無水エタノールで暗赤〜黒褐変。胞子は径8μm程度の球形*1、1.5μm程度の長さの無数の刺がある。
胞子には網目状隆起はなく、無数の刺がある点でAculeatispora節と考えられる。
ヒメカタショウロとは胞子、刺の大きさが異なり、タマネギモドキとは表皮の厚さ及び変色性が異なる。ザラツキカタカワタケとは胞子や刺の大きさがよく似ているが、表皮の厚さ、亀裂などが異なる。ウスキニセショウロとは胞子の大きさなどが異なり、コニセショウロについても胞子の大きさなどが異なる。
結局よくわかりません。
参考文献
池田良幸. 2013. 新版 北陸のきのこ図鑑 橋本確文堂.
今関六也・大谷吉雄・本郷次雄編. 2011. 増補改訂新版 山渓カラー名鑑 日本のきのこ 山と渓谷社.
今関六也・本郷次雄編. 1989. 原色日本新菌類図鑑 (Ⅱ) 保育社.
*1:8–8.6 × 7.7–8.3 μm, (mean length = 8.32 ± 0.2, mean width = 8.01 ± 0.2, Q = 1)