Russula cyanoxantha var. variata (HH-61)

肉眼的特徴 かさは径6 cm程度、ねずみ色、にぶい紫色、赤みを帯びたにぶいオレンジ色などが混じり、表面は平滑、中央やや凹む中高扁平、表皮は剥ぎやすい。かさ肉は汚白色、厚さ4 mm以下、特別な味・においはない。柄は8✕1.5 cm程度、白色、やや便腹状、髄状、平滑、表面に不明瞭な条線がある。柄肉は白色。ひだはやや密(L = ±110)、連絡脈・小ひだを欠き、著しく分岐する;白色、上生、縁は全縁。KOHでかさ表皮が淡いオレンジ色、NH4OHでかさ表皮がオレンジ色、FeSO4で無反応、Guaiacでひだが青色、Phenolでひだがワインレッドに変わる。胞子紋は白色。

顕微鏡的特徴 担子胞子は亜球形〜楕円形、(6.42–)7.17–8.29(–8.9) × (5.68–)6.2–7.2(–7.89) μm (n = 32, mean length = 7.73 ± 0.56, mean width = 6.7 ± 0.5, Q = (0.87–)1.06–1.26(–1.34), mean Q = 1.16 ± 0.1)、刺はアミロイド;表面は刺におおわれ、刺はわずかに連絡する。刺の長さは(0.15–)0.3–0.58(–0.8) μm ( n = 55 )。

供試標本 HH-61, 2016年9月3日 山梨県

コメント カワリハツのひだが頻繁に分岐するものを一変種R. cyanoxantha var. variataとする(独立種としてR. variataと扱う場合もある)。
本標本はR. variataのBanning, 1881の原記載に概ね一致した。またR. cyanoxantha var. variataのRomagnesi, 1967の記載にも概ね一致したが、胞子の大きさが若干大きいので検討が必要。他の文献は未収集なので要検討。
神奈川県小田原市のシイ・カシ林で同様の種と思われる標本を見出している。両者の肉眼的特徴及び胞子の比較を行なったが、形質に差異はほぼ見られなかった。