Russula vinosa (HH-62)

肉眼的特徴かさは径8 cm程度、暗赤色、周辺鮮紅色、表面は平滑、湿時粘性があり、表皮剥ぎやすく、周縁には粒状線がある;中央は凹み、変色性はない。かさ肉は汚白色、表皮の直下ではかさと同色を呈し、厚さ6 mm以下、特別なにおいはなく、味は温和、空気に触れると弱く黒変する。柄は8 ✕ 1 cm程度、白色、円柱形、綿状、粘性はなく表面は繊維状、擦るとゆっくり黒変する。柄肉は汚白色、空気に触れるとゆっくり黒変する。ひだはやや密(L = ±150)、連絡脈が存在し、小ひだを欠き、特に柄の周囲で著しく分岐する;クリーム色(couleurのⅡd)、上生、縁は全縁、長さ7 mm以下。FeSO4で緑色、Guaiacでひだが青色、Phenolでひだが明るい赤紫、Guaiacolでワインレッド、Formalinで赤色に変わる。

顕微鏡的特徴担子胞子は楕円形、(8.18–)9.1–10.64(–11.78) × (6.48–)6.9–8.5(–10.08) μm, (n = 20, mean length = 9.87 ± 0.77, mean width = 7.7 ± 0.8, Q = (1.05–)1.19–1.39(–1.5), mean Q = 1.29 ± 0.1)、明瞭な嘴状突起が存在し、表面は刺におおわれ、長さは(0.22–)0.4–0.74(–1.13) μm, (n = 62, mean length = 0.57 ± 0.17)、アミロイド、わずかに連絡する。壁の厚さは(0.24–)0.3–0.5(–0.65) μm, (n = 38, mean length = 0.4 ± 0.1)。

供試標本HH-62, 2016年9月3日 山梨県

コメント本標本はRomagnesi, 1967の記載に概ね一致した。