Entoloma sp.
肉眼的特徴
かさ径50 mm程度、饅頭形のち平らに開き、老成するとやや漏斗状となる；表面にわずかに皺があり、繊維状 、光沢はなく、条線と粘性を欠き、褐色〜帯赤褐色。
かさ肉厚さ3.5 mm以下、白色、表皮直下で表皮と同色を呈し、硬くしまり、匂いは温和、味は未確認。
ひだ柄に上生〜わずかに離生し、多数の小ひだを有し、やや疎(L = ±60, l = ±120)、縁は波打ち、幅7.5 mm以下、肉色〜淡紅褐色。
柄 55×10 mm程度、下方に向かってやや細まり、クリーム色〜淡褐色、下部はやや農色、繊維状、中実。
胞子紋淡紅色
肉眼的呈色反応肉はグアヤクチンキで反応なし。
顕微鏡的特徴
担子胞子大きさ (8.5–)9.3–11.1(–13.2) × (7.1–)8.3–9.9(–10.8) μm, (n = 40, mean length = 10.23 ± 0.9, mean width = 9.09 ± 0.77, Q = (0.9–)1–1.2(–1.4))、4–6角形、平滑、薄壁（0.3 μm内外）、明瞭な嘴状突起が存在し、しばしば内容物を有し、1–2個の油球が存在するかまたは欠き、無色、非アミロイド。
担子器大きさ (34.1–)34.4–45.6(–56.3) × (9–)11–15.8(–18.4) μm, (n = 24, mean length = 40.03 ± 5.6, mean width = 13.42 ± 2.38, Q = (2–)2.5–3.5(–4.2))、棍棒形、2–4胞子性、平滑、薄壁（0.4 μm内外）、無色、非アミロイド、Basal clampは存在しない。ステリグマは大きさ (2.3–)2.6–4.4(–5.1) × (1.2–)1.4–2(–2.2) μm, (n = 15, mean length = 3.5 ± 0.91, mean width = 1.65 ± 0.32, Q = (1.5–)1.7–2.5(–3))。
側・縁シスチジア欠く。
子実層托実質菌糸並列型、太さ (4.3–)6.1–8.9(–9.8) μm, (n = 21, mean width = 7.47 ± 1.44)、薄壁（0.4 μm内外）、 円柱形、無色、非アミロイド、クランプを欠く。
供試標本
HH-95: 2017年5月24日, 北海道釧路市, ハルニレ樹下に群生, 束生, N氏採集。
参考文献
今関六也・本郷次雄編. 1987. 原色日本新菌類図鑑 (Ⅰ) 保育社.
